はじめに
ウェブ制作について学び始めたばかりの方が一つのウェブサイトを完成させるためには、HTMLやCSS、JavaScriptのようなコーディングスキル以外にも、ウェブサイトの種類や構造といった、ウェブ制作においての一般的な知識が必要となります。
この記事では、ウェブ制作初心者の方向けに、ウェブ制作の目的と代表的なウェブサイトの種類について解説します。これについて知ることは、ウェブ制作を学ぶためにどのようなウェブサイトを作ればよいか考えるためのヒントになります。
また、ウェブサイトの目的からコンテンツの役割について解説し、ウェブ制作初心者の方が知っておくべきウェブサイトの基本的なページについて解説していきます。
この記事の対象者
- ウェブ制作を基礎から学びたい方
- ウェブサイトの目的について学びたい方
- ウェブサイトのページ構成に悩む方
この記事で学べること
- ウェブサイトの目的と種類
- はじめてのウェブ制作にオススメのウェブサイト
- よくあるページ構成とその役割
ウェブサイトの目的と種類
ウェブサイトと聞くと会社の公式ホームページを想像する方が多いかと思いますが、ウェブサイトはその目的によって様々な種類に分類できます。代表的なウェブサイトの種類には以下のようなものがあります。
- コーポレートサイト:企業の公式サイト
- ポートフォリオサイト:個人が制作した作品を公開するサイト
- 情報発信サイト:情報発信をメインとするサイト
- ECサイト:商品をネット上で販売するサイト
基本的なウェブサイトの目的を理解するために、これらの特徴について見ていきましょう。
コーポレートサイト
コーポレートサイトは企業がネット上に公開するウェブサイトであり、企業の顔ともいえる重要な役割を持っています。コーポレートサイトは、一般的に以下のような目的で制作されます。
- 企業のブランディング
- 信頼関係の構築
- 企業の活動やニュースなどの情報発信
- 顧客とのコミュニケーション
上記の他にも、採用情報を掲載することで効率良く採用活動を行うことや、顧客獲得・販売促進といったアプローチを行うこともできます。
コーポレートサイトの規模は、クライアントの要望や予算によって1~5ページで構成されるような小規模な場合や、数十ページを超える中・大規模なサイトになる場合があります。制作難易度は比較的低めなので、ウェブ制作初心者の方がはじめて制作するウェブサイトとして小規模なコーポレートサイトの制作はオススメです。
ポートフォリオサイト
ポートフォリオサイトはクリエイティブな活動を行う個人がネット上に公開するウェブサイトであり、自身の作品やスキルを紹介するために制作されます。ポートフォリオサイトの主な目的は以下です。
- 自身のブランディング
- スキルの証明
- 就職活動
- 仕事の依頼獲得
ポートフォリオサイトでは作品の公開や自己PRを行うことができます。制作難易度は基本的にはコーポレートサイトと変わりませんが、仕事として制作する場合はクライアントから個性的なデザインを求められることもあるかもしれません。
ウェブ制作者として自分用に制作する場合は自由な表現や機能を実装できるため、ウェブ制作初心者の方がはじめて制作するウェブサイトとしてこちらもオススメです。
情報発信サイト
情報発信サイトは、その目的やターゲットによってさらに細かく分類されます。代表的な情報発信サイトには以下のようなものがあります。
- ニュースサイト:ユーザーに社会情勢や最新情報などを提供するサイト
- ブログサイト:個人や組織が情報を発信する、自由度の高いサイト
- オウンドメディア:企業が顧客向けに情報を発信するサイト
いずれも情報発信をメインとするため違いが分かりにくいかもしれませんが、ニュースサイトは速報性や正確性、信頼性が重視され、ブログサイトは個性や専門性の高い情報を自由に発信できるなどの特徴があります。オウンドメディアはブログサイトと似ていますが、企業が運営元となるため、マーケティング施策やアクセス解析、発信する情報に制限を設けるなど、制作の目的と求める成果に応じた具体的な戦略を立てて制作されます。
また、ニュースサイトやブログサイトは広告収入を目的の一つとして運営されていることも一般的であり、各ページには収益に繋げるためのバナー広告が複数配置されている場合があります。それに対し、オウンドメディアでは自社サービスの契約や販売促進に繋げるためのバナー広告を配置する方が一般的です。
このような違いはありますが、情報発信サイト全般に言えることは、ターゲットに向けた情報を発信することが主な目的であり、ターゲットの明確化と定期的な情報の発信を行うことが重要になります。
情報発信サイトで記事を公開するためには、一般的にはCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)が利用されます。CMSの機能により、サイトの運営者・編集者はコードを理解できなくても記事の追加や削除、編集といったことが可能になります。情報発信サイトを制作するにはCMSに関する知識も重要になるため、制作難易度はコーポレートサイトやポートフォリオサイトに比べて高くなります。
ECサイト
ECサイトはネット上で商品やサービスを販売するサイトであり、一般的には以下の目的で制作されます。
- 売上拡大
- 顧客獲得
- 人件費・家賃などのコスト削減
- 顧客とのコミュニケーション
ECサイトを運営することで店舗以外からの販売機会を増やすことができ、売上の拡大が期待されます。インターネットは全国・全世界から利用できるため、顧客に店舗に足を運んでもらう必要がありません。取り扱う商品があれば店舗を持たなくてもECサイトを開設することも可能であり、個人でも運営することができます。
また、ECサイト上で顧客とコミュニケーションを行うことができ、適切なサポートにより顧客の信頼を獲得することができます。このようなメリットから、ECサイトの需要は拡大しており、消費者の生活様式や購買行動にまで影響を与えています。
ECサイトは顧客管理、販売に関わる機能などを実装するため、個人情報や決済に関わる処理といった、クライアントに損失を与える可能性があるデータを扱います。基本的には規模に関わらず制作コストが高く、ここで挙げた例では制作難易度が最も高くなります。
ウェブサイトの基本的なコンテンツ
ウェブサイトは必ず何らかの目的を持って制作され、複数のコンテンツから成り立ちます。ここでのコンテンツとは、特定の役割を担う情報の単位を指します。コーポレートサイトを例にすると以下のようなものが挙げられます。
- 会社の魅力を伝えるためのコンテンツ
- 顧客からの信頼を得るためのコンテンツ
- 社会的な信頼を得るためのコンテンツ
- 採用活動のためのコンテンツ
上記はあくまで一例であり、役割の粒度によってさまざまなものが考えられます。実際に仕事としてウェブ制作をする場合、まずはクライアントにヒアリングを行い、デザインや強調したいコンテンツ、ウェブサイトに求める成果などから必要なコンテンツやページ構成を考えていきます。
これには、ウェブマーケティングやウェブデザインの知識・経験が必要になりますが、よくあるコンテンツやページ構成というものは存在します。ここでは、多くのウェブサイトにみられる基本的なページについて解説します。これらのページの役割と記載するコンテンツの特徴について学んでいきましょう。
ウェブサイトの基本的なページ
ウェブサイトの基本的なページ構成として、以下のようなものが挙げられます。
- トップページ
- 概要ページ
- ○○一覧・詳細ページ
- お問い合わせページ
- プライバシーポリシーページ
これらの一般的な役割について見ていきましょう。
トップページ
トップページはウェブサイトの玄関口であり、どのようなサイトでも必ずトップページが存在します。また、ウェブサイトに掲載するコンテンツの量が少ない場合、トップページのみでウェブサイトが制作されることもあります。
複数ページを持つウェブサイトにおいて、トップページは一般的に以下の役割を担います。
- ウェブサイト全体の概要を伝える
- 主要なページへの導線を提供する
- ユーザーの興味を引く
トップページはウェブサイト内の他のページからもアクセスでき、ユーザーがウェブサイトを利用するための起点になります。トップページのメインコンテンツには、各ページの見出しや概要、リンクなどをセクションとしてまとめ、ユーザーへウェブサイトの主要なページへのアクセスを促します。
トップページのみでウェブサイトを構築する場合、他のページへの導線がないため、サイトで扱う情報を全てトップページで表示させることになります。個人経営のような予算が限られた店舗サイトや、特定のサービスや商品の販売促進を行うためのサイトに多く見られ、このようなウェブサイトは「ランディングページ(LP)」と呼ばれます。
概要ページ
概要ページは、ウェブサイトの所有者やウェブサイトに関する説明などを扱うためのページであり、「アバウトページ」とも呼ばれます。以下のようなものが挙げられます。
- 会社概要ページ:コーポレートサイトに見られる概要ページ。企業理念やビジョン、事業内容、こだわりなどに関する情報を扱う。
- プロフィールページ:ポートフォリオサイトに見られる概要ページ。クリエイターとしてのこだわりや経験、スキルなどに関する情報を扱う。
- サイト説明ページ:情報発信サイトに見られる概要ページ。扱う情報に関する説明や、どのようなユーザーのためのサイトであるか、サイトの運営元などの情報を扱う。
概要ページは、ユーザーに対して組織やウェブサイト、ポートフォリオサイトにおいてのクリエイターの魅力を伝えるための重要なページであり、サイトの種類に関わらず共通する主な役割は以下です。
- ブランドイメージの確立
- ユーザーへの情報提供
- 信頼関係の構築
コーポレートサイトはブランディングが主な目的として制作されることも多いので、概要ページは特に重要であり、コンテンツの情報量によっては更に複数のページに分割される場合があります。また、ポートフォリオサイトにおいてのプロフィールページも重要なコンテンツであり、クリエイターの経験やスキルを魅力的に伝える役割を担います。
○○一覧・詳細ページ
「○○一覧ページ」と「○○詳細ページ」という階層構造を持ったページのこと指します。このページ構成は多くのウェブサイトで利用されており、目的やコンテンツの情報量などによっては一覧ページのみでも機能する場合があります。
このような構成は、ウェブサイトの公開以降も追加されていくコンテンツがある場合に有効です。例として、以下のようなものが挙げられます。
- ニュース一覧・詳細ページ
- 商品一覧・詳細ページ
- サービス一覧・詳細ページ
- 記事一覧・詳細ページ
- 作品一覧・詳細ページ
一覧ページとして複数のコンテンツをまとめて表示することで、ユーザーが目的の情報を見つけやすくなります。また、詳細ページとして各コンテンツを別のページとして切り分けるため、より具体的な内容を掲載することができます。このような構成を行うことで、以下のような効果が期待できます。
- 情報の整理と閲覧性の向上
- ユーザーの滞在時間の向上
- SEO対策
適切にコンテンツの管理やカテゴリー分けをすることで、コンテンツの量が膨大になってもユーザーが目的の情報を見つけやすい構成にすることもできます。ユーザーがウェブサイトを利用する時間を向上させる効果があり、必要に応じてGoogle検索のような検索エンジンからの流入を促進させることもできます。
お問い合わせページ
お問い合わせページは、ユーザーとサイト運営者がコミュニケーションを行うための重要なページであり、サイトの種類や目的によって役割は異なります。コーポレートサイトを例に挙げると、以下のようなものが目的として考えられます。
- 顧客からの質問や意見を受け付ける
- 採用情報への問い合わせを受け付ける
- メディア関係者からの問い合わせを受け付ける
- 製品・サービスに関するサポートを提供する
お問い合わせページは入力フォームを設置することでユーザーから情報を収集し、適切な対応を行います。ユーザーからのお問い合わせをウェブサイト運営の目的としている場合も多く、使いやすいお問い合わせフォームを設計することが重要です。このことから、個別のページとして目的に応じたお問い合わせページを制作する場合もあります。
プライバシーポリシーページ
プライバシーポリシーページは、ユーザーに対してサイト運営者がどのように個人情報を取り扱うかについて明示するためのページです。
プライバシーポリシーページの内容は個人情報保護法などの法令に遵守したものである必要があり、これに関しての透明性を示すことでサイト運営者としての誠実さをアピールできるため、ユーザーからの信頼を得るために貢献します。
個人情報の取り扱いは、サイト運営者として以外にも、企業・個人としても適切に管理することが義務付けられてます。管理が不適切であればユーザーやクライアントに損害を与える可能性もあり、お問い合わせフォームなどから個人情報を収集する場合は特に重要です。
最後に
この記事では、ウェブ制作の目的から、代表的なウェブサイトの種類、コンテンツの役割、ウェブ制作初心者の方が知っておくべきウェブサイトの基本的なページについて解説しました。
ウェブ制作の種類では、簡単ではありますがウェブ制作の種類毎の難易度についても触れました。ウェブサイトの制作難易度は、そのサイトに実装する機能や規模、デザイン、アニメーションの有無などによって変わります。実装方法も多岐にわたり、制作者のスキルレベルに応じて外部サービスやオープンソースソフトウェアを利用することで、制作難易度やコストを下げることができます。
ウェブ制作を学ぶには、まずは実際に手を動かしてHTMLやCSS、JavaScriptの基本を学ぶ必要があります。さらに、実際に公開しようとなると、大なり小なりウェブサーバーやドメインなどの知識も必要です。一つのウェブサイトを作れるようになるためには多くの知識が必要になるため、高度な機能を持つウェブサイトをいきなり制作することは挫折の原因となるためオススメしません。コーポレートサイトをいくつか作ってみたり、ポートフォリオサイトを作ってカスタマイズしていくと良いでしょう。
ウェブサイトの主となる目的は一つでも、その目的からは複数の役割が派生し、さらにその役割を果たすためにコンテンツがあります。特定の役割を持つコンテンツに対して個別にページを設けることで、具体的な情報を提供することができ、ユーザーにとって利用しやすい・分かりやすいウェブサイトになることが期待できます。